ぼくらはみんな生きている~事故ですべての記憶をなくした青年~
こんにちは、nazumiです。
今回は、坪倉優介さんの『ぼくらはみんな生きている』の感想です。
ー「かあさん…、人間は何のために生きているの」と聞いてくる優介に、何と言えばいいのかわかりませんでした。
☆ストーリー
スクーターの事故により、18歳で全ての記憶を失くした青年の手記。
『記憶』とは、家族や友人だけに留まらない。
食べることやトイレに行くことすらも忘れてしまった…
( ゚Д゚)な…なんだって…じゃあ本当に最初から全てやり直し?!
☆衝撃のノンフィクションです。テレビ番組の『激レアさんを連れてきた』に出演されていたみたいですね。私は残念ながら観なかったのですが、家族がその話をしてくれて、興味を持ったので本を読んでみました。
☆話は、坪倉さんが記憶を失くし、その後奮闘して草木染職人として独立するまでの12年間が描かれています。彼の手記の各章の終わりに、彼の母親の「記憶」が綴られています。
(>_<)お母さんの苦悩も書かれています。一から全てを教えなければならない苦労…ひとり暮らしさせることへの不安…
彼が成長していく様子は、文章の書き方からも窺えます。(ひらがな多→漢字多)
もしも生まれたての赤ちゃんが既に言葉を持っていたら、このように世界を認識していくのかな…と思いました。初めて白米を食べた時(光るつぶつぶ)、目や口を小さくした顔で見られるのは嫌だ、初めて「夜」を見たときの気持ち…
最初はひらがなばかりだった手記も、世界を認識していくにつれ、漢字が大半を占めていきます。書き方からも彼の成長が見えてきます。なんだか『アルジャーノンに花束を』を思い出してしまいました…。
とてもとても興味深い話でした。私達が昔は確かに持っていたであろう「最初の記憶」を、彼がもう一度教えてくれたように感じます。
彼には幸せになってもらいたい、と心から思いました。
★余談ですが、この本は、幻冬舎から発行、見城徹さんが発行者なのですね。先日、彼の著した『読書という荒野』を読んでいたので、おぉ( ゚Д゚)!と思いました。本と本が繋がる瞬間…とても嬉しい気持ちになりました。
この嬉しさも読書の醍醐味ですね♪(#^^#)